石英ガラスの特徴

一般的に「ガラス」と聞くと、私たちが思い浮かべるのは窓ガラスやコップのような身近なものですよね。けれども「石英ガラス」は、それらとはまったく違う特別なガラスです。
とても透明で光をよく通し、驚くほどの高温にも耐え、薬品や衝撃にも強く、極限の状況下に耐え得る唯一と言ってもいい素材であり、その優れた特性から「ガラスの王様」と呼ばれています。
今回、この「石英ガラスの特徴」について解説したいと思います。

石英ガラスのおもな特徴

高純度

金属類の不純物質含有が極めて少ない

SiO2(二酸化ケイ素)のみからできており、金属不純物をほんのわずかしか含んでいません。
溶融石英ガラスは主に天然水晶を、また、合成石英ガラスは主に四塩化ケイ素(SiCl4)を原料として製造されています。含有する不純物は、溶融石英ガラスでppm、合成石英ガラスでppbレベルです。
ppm=(100万分の1)
ppb=(10億分の1)

高耐熱

およそ1,000℃までの耐熱性

軟化点が約1,700℃と非常に高く、1,000℃程度の高温まで使用できます。また、熱膨張係数も小さいため急激な温度変化にも耐えられます。
石英ガラスは他物質に見られない特異な性質を持っています。例えば、剛性率、引張り強度、曲げ強度などは温度上昇とともに高くなりますが、800~1,000℃で最高に達し、それ以上の温度では粘性低下などの影響で急激に低下します。

高耐衝撃

膨張係数が低い

石英ガラスは温度膨張率が低く、弾力性に優れ、耐温度衝撃性に優れる素材で、高温の製造工程あるいは、耐高温性が要求される機器に最適です。

高透過

紫外〜可視光〜近赤外線域まで光を通す

石英ガラスは目に見える可視光だけではなく、紫外線から赤外線まで広い波長範囲で良好な透過特性をもっています。SiCl4(四塩化ケイ素)を原料とした合成石英ガラスで、不純物、泡・異物をほとんど含まず、真空紫外~赤外領域の幅広い波長領域で優れた光透過性を有しています。

高耐薬品

強酸・強アルカリに侵食されない(一部を除く)

化学的に極めて安定であり、優れた耐薬品性をもっています。
優れた耐薬品性を持つ石英ガラスは、種々の溶剤や酸溶液の蒸留および各種物質の溶解・洗浄容器として最適です。ただし、フッ酸、リン酸、アルカリ・アルカリ金属化合物の溶液およびそれらの雰囲気では、石英ガラスのエッチングや表面失透が起こるため、長時間の使用には注意が必要となります。

いかがだったでしょうか?
石英ガラスは、私たちの身近なガラスとはまるで別物ともいえるほど、特別な性質を持った素材です。そのため、半導体や光学機器、医療機器など、現代の最先端技術を支える欠かせない存在となっています。

今回ご紹介したのは「特徴」の一部にすぎません。石英ガラスには種類があり、それぞれに適した役割や用途があります。また、なぜここまで重要視されているのかという「素材としての意義」についても、とても奥が深いテーマです。

次回以降で特徴をそれぞれ掘り下げて行きたいと思います。また、「石英ガラスの種類」や「石英ガラスの役割・重要性」についてご紹介していきますので、ぜひあわせてご覧ください。